「これからやく三日間、四校レギュラーの強化合宿を開始する。

 気を引き締め、真剣に・・・」


「・・すかー・・・」

















***9***
  多勢大勢・・・無力な僕ら?



















「おい・・・・・起きろ!」


「・・ふぁ・・?」


目を開ければ、先生の話しは既に終わっていた。

ざわつきながら歩いていく野球部メンバーの一番後ろ、立ち寝をしていたらしい俺は虎鉄によって起こされた。


「・・あ、・・話し終わったんかー。さ、虎鉄早く行こうぜー」


「・・・切り替え早いNa」


虎鉄は苦笑した後、わざとらしくの隣りを歩き出した。

と、狙ったように現われる兎丸と猿野。

・・・ってか絶対狙っていたに違いない。


ー!同じ部屋になれるといいねー!」


「せーんぱいッ、三日間楽しみましょうね!」


ぴょんっと虎鉄のいる側とは反対の腕に兎丸が飛びつき、

猿野はの後ろから首に腕を回した。


「うぎゃッ!? お、重いから!!ってか部屋って何、比乃?」


「ほら、離れろYo、猿野、兎丸!! が嫌がってるだRo!」


、先生の話し聞いてなかったのー? 部屋はね各校、くじ引きで決めるんだってさ」


「あー先輩ちっちゃくて可愛いー♪♪」


ぎゃーぎゃーと騒ぎながら、グラウンドの端、十二支メンバーの集まっているところへ急ぐ。

以外の3人は他のメンバー+監督の冷たい視線に、からそそくさと離れた。




「あー、聞いての通りだ。 で、部屋は適当に組んどけ」


やる気あるんですか?的な監督の言葉。

あとは任せた、とキャプテンに言うと今度は俺のほうを向いた。


「あー、は今回の合宿で入部が決まるからな。心して取り組め。

 それと・・・後で俺と露天風呂に入ろうな」


「・・・・・へ?」



監督は野球部メンバー総出で埋められた。

































「・・・・録先輩、あんな奴十二支にいましたっけ?」


目元に紅い線を入れ、ガムを噛んでいる華武高生が呟いた。

その視線の先には猿野や虎鉄に構われながら歩いていく、の姿があった。


「みやなんか言った?・・・あぁ初めて見る気。ユニフォーム着てないし、誰だろ?(・_・)」


録と呼ばれた華武高生は視線の先の存在を確認して首をかしげた。


「でもすごく可愛い気!(>∀<)」


「・・・そうっすね。でも男じゃないっすか?」


「マネかなんかじゃ・・・なさそう気だ(-"- ;)」


「・・新入部員らしいング」


録と御柳の間からヒョコッと現われたマフラーを巻いた、いかにも熱そうな華武高生。


「うおッ?!・・久芒先輩・・知ってるんすか?」


「さっき立ち聞きしたんング・・ズズッ」



御柳はふぅんと意味ありげに微笑むと、ペロッと口の端を舐めた。

見つめる先はもちろん・・・


「・・おもしろそうじゃねぇか」







「うわー・・みやがエロイ微笑みしてる気ー (‐.‐;)」


「面白そうング・・」


「白春まで?!Σ(・д・ノ)ノ」































「なぁなぁ兄ちゃん、アイツ誰だ?」


「・・む・・? さぁ・・見ぬ顔だな」

金髪がツンツンとした背の小さい目の黒撰生が、赤い髪の同じく黒撰生の服の裾を引きながら問う。


「ん?何だよお前ら知らねーのかよ!? ほんとにピーでピーだな!!」


妙に高いテンションで会話に乱入してきた、ピーピー五月蝿い黒撰生に、二人は振り向く。


「なんだ?うどん先輩知ってるのか!?」


「あたぼーよ! なんかなぁ、新入部員らしいぜー。でもまだ未確定らしいな」


「・・未確定とは?」


「・・・入部試験・・まだらしいよ」


うどん先輩と呼ばれた人の影から、ひょこっと顔を出す、どよんとした小さい黒撰生。


「へぇー。でもさ、アイツすっげぇ可愛いよな!」


「だよなー!!俺のピーもピーってもんだぜ!」


「・・黙ってよ。・・本当・・五月蝿いなぁ・・・」


「・・・ふむ」


4人の黒撰生は歩きながら、噂の中心人物とそれに絡まる2,3人を見つめる。

浮かぶは一つの疑問。


『本当に・・・・男?』


























「んー・・? ねぇ紅印。あの子・・誰かな?」

緑の髪が特徴的な、七橋生は少しオカマっぽ・・・女らしい七橋生に緩く声をかけた。


「なぁに、剣ちゃん?・・・あらぁ可愛いじゃない!でも見ない顔ねぇ」


「にゃはは!俺様は知ってるぜ☆なんかな・・」


「新入部員らしいアルよ!」


前髪を止め露出の高い服を着た七橋生と、その声を遮るようにして現われたチャイナっぽいこちらも七橋生。

自分の発言を先に言われた七橋生はで不機嫌そうに口を尖らせている。


「へぇ〜。びみょ〜に興味あるなぁ」


「新入部員、十二支全員壮絶人気」


口にピアスをし、いかにもヴィジュアル系な七橋生は変わったしゃべり方で登場。


「朕、あの子気に入ったヨ!絶対友達になって十二支の奴らに見せ付けてやるネ!」


「優良計画 我激賛成」


「じゃあ俺様はそれ以上を狙うかんな!・・・アデッ!!」


「もうこの子ったら、黙らっしゃい!・・・あの子はあたしのも・の♪」


「びみょ〜に、凪といい勝負だね〜。・・・う〜ん、でも・・男・・だよね」



うーん、と五人は足を止め、ニカッと明るい笑顔でおしゃべりしているを眺める。

魅入ってしまう程のその笑顔に5人は・・・・何かを決意した。



































「なぁ・・・猿野?」


「な・・なんですかマリファナ先輩・・・?」


の横を歩きながら、声を震わせている虎鉄・・と猿野。

その視線は真っ直ぐ前をしっかりと見つめ離さないようにしながら。


「もの凄い・・視線を感じているのは俺だけじゃ・・・ないよNa?」


「俺たちというよりは・・・ですよ・・ね」


「ん?何?猿野?」


「二人とも、顔色悪いよ?」


ニコニコとこれからの合宿が楽しみなのか、笑顔のと、

逆に見せ付けてやろうというのか、にべったりの兎丸。



「「・・・・はぁ」」































さぁ


役者は揃った








――最高で最強のバトルを始めよう――


































更新遅くなりました!!
しかもグダグダで・・・・あわわわ。

随分人数の多い逆ハーですよね・・・。



BGM*【Message】
from Senses Circuit