底知れぬ闇の様な夜空に浮かぶ
満月
あぁ・・・あの晩と同じだ
かぐや姫でも降りてきそうなほどの・・・・宵月夜
宵月
「晋助・・・?」
窓辺から月を眺めていると、心配そうな表情のがいた。
暗い部屋の中に月明かりが差し込み、だけを照らしだしている。
―― かぐや姫 ――
頭に浮かんだ言葉を自嘲し、高杉はを手招きした。
「おいで」
なんの躊躇いもなく、は高杉に歩み寄る。
高杉はを自分の膝の上に抱くと、片手で煙管をふかした。
「綺麗な月ですね」
を見れば、の瞳に満月が輝いていた。
それはそれは美しい月。
「も・・・・そう思うか」
フゥッと紫煙を吐き出し、高杉は笑う。
どうしてもこうも・・・今が愛しいのかと。
平和な時間・・・嫌いなはずの平穏に流れる時と空気。
「でも・・・今すごく不安になった。晋助がどこかに行ってしまいそうで・・・恐くなったの」
はまだ月を見つめ続けたまま、高杉の着物の裾をキュッと握った。
その瞳は、少し揺らいでいる。
「月がね・・・晋助を連れ去って行きそうな、そんな気がしたの」
馬鹿みたいだよね、と続けは苦笑した。
「そうだな・・・・馬鹿だ。も、俺も」
「え・・・?」
「俺は、・・・・が、かぐや姫に見えた」
はクスクスとおかしそうに笑った。
それにつられ、俺もフッと笑う。
嘲りをも含まない、心からの。
あぁ・・・そうだ。
がいるからか。
この時間がこんなに愛しいのは。
「この時間がずっと続けば・・・いいな」
「そう・・・だな」
を抱き寄せ、そっと唇を重ねる。
月明かりの下
かぐや姫は 渡さない。
宵月・・・8月2日〜7日に見られる月
ぱっと思い浮かんだこの言葉調べたとき、運命だと思いましたね。
だって今日は8/2!
アンケートで二位だった銀魂夢、そして初挑戦の高杉でした♪
以前の拍手お礼夢でした!
Back