「馬鹿ーデビットの馬鹿ァア!!!」
「んなくらいで泣くんじゃねぇよ!!」
近くにあったロードの人形を思い切り投げつけ、うわーんと身なり気にせず大泣きする。
皆は、またか、と苦笑いでこちらを見ていた。
「たかがアイス食ったくらいで何でそんなに怒るんだよ!?」
「た、たかが!?人が・・・っどれだけ楽しみにしてたか、知らないで、しょォ!?」
涙をボロボロ流しながら、は嗚咽交じりに訴える。
なんだかそんなの姿が可哀想に思えて。
僕はちょっとだけ悪いことをしたかな、と思ったけど・・・
「デビットのガキんちょ!!キライ!!ティキのが優しいから好き!!」
「なん!?」
今の一言で何かがプツンと音を立てて切れた。
「おい・・・・」
「・・・!?」
「・・今・・なんて言った!!」
「・・・うわぁ!?」
ガッと飛びつくようにを押し倒し馬乗りになった。
両手を掴んだまま僕はを睨む。
驚いたのか目をまんまるにして泣くことすら忘れたような。
「キライ?今、僕のこと嫌いって言った?」
「・・・・」
「ティキのが好き?あのホームレスの方が僕よりいいだって?」
「・・・・だって」
「僕のこと見て言えよ!!」
なんだかイライラ苛々。
怒鳴るように言い放てば、はビクリと肩を揺らして僕と目を合わせた。
驚いて丸い目が、少しずつ怒りに震え・・・つぅっと目じりから涙が流れ落ちた。
「だって、デビットは意地悪なんだもん!!」
バッと僕の手を振り払い、は転がるように僕の下から抜け出した。
そしてタタタッと駆けていく。
僕はなんだかちょっとだけショックを受けていた。
いや、考えていた。
なんでかな。
そういえば僕はいつもには意地悪ばかりしていたような。
いつも泣かせてるのは僕じゃないか。
「・・・なん・・なんだよ、」
吐き捨てるように呟いて、
少し顔を歪めて、片手で髪をぐしゃりと掴んだ。
何かが違う、本当は
本当は・・・
の笑顔をもっと見たいんだ。
「ん?なんだ?」
「ティキー好きだよ」
ロッキングチェアに座っていたティキの足元から顔を覗かせる。
ティキは、おっ、と驚いた顔をした後をひょいと抱き上げた。
「うんうん。オレもが好きだよ。可愛い可愛い」
膝の上に座らせたは嬉しそうに笑った。
「・・・・・・・」
一族の中では寵愛されている。
そんなこと知っているけど。
「おい、ロリコンホームレス」
「げっ・・・デビット」
僕は何だかそれも納得いかないんだよ!
気 づ く の は 、
(おい!こっち来い馬鹿!)
(ティキー!!デビットが馬鹿って言ったぁ!!)
ヒロインとデビットが子供っぽいですが、二人とも同じ年齢で現在(?)のお話です(笑
恋愛感情に気づかない子供のような二人が書けてればいいな・・・!