今日はなんと修学旅行以来の京都に来ております!
もう抹茶アイス抹茶アイス抹茶アイス八橋抹茶アイス三昧で気分のノリノリなんですよ。
気分のノリすぎちゃって、皆とはぐれちゃいました!
この子 何処の子 迷子の子
「・・・・・・」
どうしよう、どうしよう。
これはえっと、その、世間一般で言う、小さい子とか可愛らしい方向音痴な女の子とかが陥るという・・・迷子というやつでは・・・?
え、うそ、この年で初迷子ですか?
アハハ・・・誰にも言えない!
一緒に来た友達にも説明できないな!
お腹痛くてトイレこもってたよー、いやはやスッキリ!って言うのとどっちがいいだろう。
住宅地というか曲がり角のたくさんある道をひたすら勘と本能で進む。
うーん、どしたものか。
方向音痴ではないと思ってたんだけど。
右に曲がって、真っ直ぐ行ってみて、今度は左に・・・。
なんかどんどん道細くなってるんですが、わけわからん!
「あ、あのすみません!」
チャララーン!私は、運よく、道行くそこらへんのお兄さんを、発見した!
RPG風に説明してみたところで、果たしてRPGのようにうまい展開に進むかなんて限らない。
その証拠に、なんだかこのお兄さんってば死んだ魚の目をしているのです。
・・・いくら世知辛い世の中になったとはいえ、こんな目をした人そうそういないって。
「え、・・・・・・何か?」
「あ、あの」
うわ、返事されちゃった、どうしよう。
なんかだ明らかに品定めって感じの目で見られてるのがとてと気に入らないけれど、私も負けないくらいじろじろお兄さんを見つめていたに違いない。
いやいや、そんなことは置いておいて。
これ以上道に迷うわけにはいかないので、お兄さんに話しかけることにします!
「えっと、あの・・・一番近い駅はどこですか?」
うわぁ。
今度は明らかにおまえ迷子?その年で?しかも友達いないの?って目でみられてる、そうに違いない、お兄さんなんか嫌いだ。
ぎゅっと握った手にうっすらと汗をかいているのを感じた。
「ここからはかなり遠いんだけど・・・。・・・・・・迷子?」
やっぱり!
私ってば読心術でもできるのかな!やっほう!
「あ、いえ、ちがっ、いや、違わないけ、ど・・・。・・・そんなもんです」
「ふぅん」
表情を変えないお兄さんがなんだか異常に恐いです。
この人に話しかけたのはやはり間違いだったようです、プレイヤーさんお願い、リセットして前回のセーブ地点に戻ろう!
なんて、心の中で私大悶絶。笑いたいなら笑えってのこのやろう!
「・・・・・・・・。・・・えっとここ真っ直ぐ行って、大きな通りに出たら・・・」
「ここ真っ直ぐ行けば大きな通りに出られるんですね!? ありがとうございます、お兄さん!」
あの間は絶対笑い堪えてた!確信できるよ!恥ずかしい!!
羞恥に耐え切れずに、お兄さんの言葉を聞き終える時間も惜しいと、そのままくるっと方向転換して走り出す。
迷子なんだーって目で見られるのはもう十分ですから!
お腹いっぱいです、本当にありがとうございました!
「・・・殺人鬼がよく現われるから、気をつけて・・・って言おうと思ったのにな・・・」
中途半端に伸ばしかけた手を所在無く宙に浮かせたまま、独り言になってしまった続きを呟く。
変にいじわるしないでちゃんと教えてあげればよかっただろうか。
彼女は果たして駅にたどり着けるだろうか・・・・・・あの調子だとたぶん無理だろうけど、そこはまた誰かに尋ねればいい。
もう、僕には関係ないことだしね。
・・・・・・関係ないこと、か。
「あれー?師匠、今の可愛らしい女の子誰ですか?」
後ろからトタトタと現われたのは黄色いリボンが印象的な、高校生にしては幼く見える女の子。
大きなリボンを揺らしながら、隣を疾風の如く駆け抜けていった女の子を振り返っている。
「・・・うん、そうだよな。今の迷子ちゃん可愛かったな。・・・というか駅は遠いって言ったのに」
「今の子、迷子だったんですかー?姫ちゃんはてっきりまた師匠が拾ってきた子だと思ってましたよ」
「・・・また?」
今から思えば。
どうしてあのお兄さんに会うまで誰にも会わなかったのか、とか。
なんで携帯使っても繋がらなかったのか、とか。
方向音痴ではないはずの私が全く勘が働かなかったのか、とか。
ちゃんと、おかしいなって考えるべきだったんですよね。
もうそこは、私の読んだことのない『戯言』の世界の中だったんですから・・・。
あぁ、読書って大切なんですね。
トリップ・・?いやなんだこれ?
『戯言』読んだことない人がトリップしちゃったらこんな感じになっちゃうのかな?
と後々思いました。
う〜ん。
目指せ完全逆ハー!
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