ねぇ
いつか
この想いが
君に届くことは
あるのかな・・・
+いつか夢みたあの空へ+
カラン コロン
歩くたびに下駄が軽快なリズムを奏でる。
カラン コロン カラ・・
「アハハ、馬鹿でさぁ死んでしまえ土方さん!」
「んだと、総悟ぉお?お前切られたいか?」
「やってみやがれ返り討ちにしてやりますぜ」
自分が向かう方向には黒い隊服を着た真選組隊士が二人。
胸が一度どくんと大きく鳴り、それからはドキドキと早鐘のように鳴った。
一歩
一歩
止まってしまった足を進める。
一歩
一歩
あの人が近くなる。
カラン コロン
カラン コロ・・ン
ふわり
すれ違いざまに起こる心地よい風が頬をかすめる。
思わず止まりそうになる足を
・・カラン
無理やり動かす。
「そーいやー近藤さんが・・・」
「あぁ、それかそれは・・・」
少し離れたところでくるりと向きを変える。
遠くなっていってしまう後姿を穴が開くほど見つめる。
・・愛しい人、それは真選組隊士 沖田総悟 。
叶わぬ恋だと知っていても
届かぬ思いと知っていても
この想いを止める方法なんて知らなくて
この想いのやり場がわからなくて
ただ、ただ
放っておくだけ。
「こっち向いて」
小さくおまじないのように呟いてため息を一つ。
「いこ」
前を向き直り
カラン コロン
歩き出す。
「――それで・・・・・」
「 ? どした、総悟?」
急に足を止め後ろを振り返る総悟。
後ろに広がる町並みはさっき自分が歩いてきた時に見た風景となんら変わりは無い。
唯一つを除いて。
「・・・。またあいつか?総悟、お前らしくねぇな。こんなに一つのことに執着するなんて」
カラン コロン
「・・そうですかねィ・・・」
歩き去っていく一人の女の後姿が妙に輝いて見える。
「まっ副長の座を奪うことはいつでも執着してますぜ?」
「それはいい」
前を向き直り歩き出す。
あいつとは反対方向に。
・・声をかけるのが怖いのは
警戒のまなざしで見られることを恐れているから
あいつの姿が見られなくなることを恐れているから
真選組である俺をどう受け止めてくれるのか
不安だから
「なぁ総悟。俺たちはいつ切られて死んでもおかしくねぇ、真選組だ。」
土方は前を向いたまま、スパーとタバコの煙を吐き出した。
「だが、その事で自分の気持ちを抑えてるならそんな考えは捨てろ。真選組は誇りであって、束縛じゃあねぇ」
一瞬、総悟の瞳が大きく開く。
そして
止まった足は
そのまま方向を変えて走り出していた
名前も知らないあいつの元へ
「はぁ・・・うまくやれよ、総悟」
走っていく総悟の後姿を見送りながら土方は呟いた。
なぁ
いつか
この想いが
届く日がくるとするならば
それは、きっと
‘今日’ なんじゃないかな
あいつの姿が近くなる。
いつか夢みたあの空へ
この物語は‘今日’から始まる。
久しぶりにupした銀魂短編!
どうでしたか?
え?意味不明だ、このやろぉ?
アッハッハッハ、すいません。
これ、短編なのかな?続き書きてぇぇえ!!
もしかしたら書いちゃう?え?書いちゃうの?