「ねぇ、さん遊びに行きましょう?」
「かははッ、は俺と遊ぶって決まってんだよなー?」
「なーに言っちゃってんの?は僕のもんだっつーの!ぎゃははッ!!」
遊びましょ? @ 《戯言Dream》
「お前、に馴れ馴れしく触んなよ!」
「なんだよ、人識こそ邪魔だっつーの!」
「さん・・こんな五月蝿い奴らなんか放っておきましょうよ」
ギャーギャーギャーギャー・・・。
何時の間にこんなことになったんだろうか・・・?
右腕には出夢がへばり付き、
左腕には人識がしがみ付き、
後ろから伸びた萌太の長い腕は私の首にしっかり巻きついている。
「・・・・・・」
一見モテモテでまぁ大変といった感じなのだが、この三人が集まるとなるとそういう訳にはいかない。
殺し名3名。
はっきり言って、何時乱闘が始まるかとひやひやしている状況なのだ。
「・・・ねぇ・・? 皆、暇なの?」
の声で、言い争っていた三人がぴたりと止まり、を見た。
・・・1名は後ろにいるから分からないけど。
「いやー俺はの為なら何時でも空いてるようなもんだしな」
人識はかははッとそれはそれは可愛らしい顔で笑う。・・・私より年上なのに。
「は僕がいないと寂しくって死んじゃうんだよなー!ぎゃははッ!」
出夢は訳の分からないことを言いながら私の腕に頬ずりした。
「さんとはいつも一緒にいたいですから、バイトも休めますよ」
萌太は大人びた落ち着いた声で言いながら、私の頭に顔を寄せた。
・・・よーするに暇なわけだ。
萌太以外は別に仕事をしてるとも思えないし。
まぁ、つまらないのは嫌いだし、良しとしよう。
「・・まぁいいや。それじゃあまず、皆・・・離れない?」
きょとんとした顔をした後、
「いや」
「やだ」
「それはできませんね」
と即座に否定されてしまった。
「な・・なんで?」
あまりの勢いのよさに少しビビりながら私は3人に聞く。
「僕以外の人は皆離れればいいんだよ!は僕だけのもんなんだからさ」
出夢が言った後にすかさず抗議の声が入る
「は?お前何言っちゃってんの?未来永劫、は俺と離れらんないの」
人識の、敵意剥き出しの声だ。
「・・・つまり、離れた瞬間に他の誰かがさんを連れて行っちゃいそうで恐いんですよ、みんな」
やはり落ち着いた声で説明をしてくれたのは、萌太。
「な・・何よそれ・・・」
顔がカァアッと熱くなるのを感じて隠そうとするが、腕は二人の馬鹿力に掴まれてるわけで。
「かぁわいい!真っ赤なってやんの、ぎゃははッ!」
「な、真っ赤になんてなってない!! 早く腕離してよ、もう!!」
「僕にもさんの可愛い顔見せてくださいよ・・」
ぐいっと顔を上に上げられて萌太の美しい微笑が私を見下ろす。
あまりにも整ったその顔に、恥ずかしさがこみ上げる。
「・・可愛い」
一層、にっこりと笑った萌太の顔がふと近づく。
「だぁあぁぁああ!!!」
と、叫び声と共に後方に吹っ飛んだ萌太。
ドガンッと鈍い音を立てて、壁にぶつかった。
「このやろぅ、が穢れちまうとこだったじゃねぇか!!」
私を抱きかかえて萌太から一番遠いところにいるのは、人識。
・・どうやら、萌太を吹っ飛ばしたのは、出夢らしい。
大丈夫なのだろうか・・・萌太。
⇒『あそびましょA』に続く
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