いー兄の部屋から出てこようとしたのは、零崎じゃないですか。
崩子も一緒に・・・・。
いったい何をしてたんですか?
・・・・ん?
微笑で始まり美笑で終わる
「どうしたんですか・・?そんな大声出して」
萌太は煙草を片手に微笑のまま首を傾げた。
そんな様子に崩子ちゃん以外は焦りを剥き出しだ。
「や、やぁ!石凪!妹ちゃんならあそこだぜ!まぁ入ってくれYO!」
妙なテンションで怪しさ倍増の人識の笑顔はなんだかひきつっている。
「・・・?」
訝しげに目を細めた萌太は人識をじっと見た後、視線は人識の腕の中へ・・・。
「・・・誰ですか? この方は?」
ビクッと過剰に反応する、人識&いーちゃん。
ここまできたらもう隠しようがない、と内心溜息混じりに悟った。
崩子ちゃんはクスクスと笑っていた。
「ふぅん・・。迷子だったんですか」
萌太は視線をに向けたまま、相槌を打つ。
「ちなみにちゃんは僕が最初に出会ったんだよ」
いーちゃんはすかさず、言葉を挟む。
「んだよ?! は俺が拾ってきたんだからな」
萌太の視線から外すように、をギュッと抱きしめながら言う人識は、いつもの笑顔が消えている。
「でも・・・さんはまだ誰のものでもないんですよね?」
『まだ』をやけに強く言う萌太はニコニコといつもの微笑。
なんだか余裕をかましているようで、イラつく。
痛いところを突かれた二人はグッと言葉に詰まった。
崩子ちゃんは成り行きを楽しそうに見ている。
「(・・・くッ・・やっぱりコイツもに目付けやがった!!)」
「(僕のちゃん僕のちゃん僕のちゃん)」
人識といーちゃんはそれぞれ考えながら、萌太を睨む。
そこで自慢とばかりに、
「言っとくけどなぁ!俺なんかとちゅうしたんだからなぁ!!!」
と、人識は大声で叫んだ。
それに反応してか眠っているが顔をしかめる。
もぞりと体を揺らし、髪が揺れた。
「・・・ん・・ぅ・・・うるさ・・ぃ」
眠っているからか、少し熱っぽいその声に誰もがを見つめた。
ゆっくりと瞼が開き、ポワッと焦点の定まっていないの瞳が宙を見つめる。
自然、一番近くにある人識の顔を見つめ、・・・ムッとした。
「・・・もぉ・・うるさいよ・・人識の馬鹿ぁ・・・。・・・・・・・ってなんで抱っこされてるの?!」
ガバッと人識の胸を押しながらは人識の腕を逃れようともがきだす。
そんなを萌太と崩子ちゃんは興味深そうに眺めていた。
「かははッ、暴れんなって!ほら、おはようのキスは?」
「いーやー!!そんなのいらない、離して離して・・・エロ人識!!」
「ほら嫌がってるだろ、ちゃん僕のところにおいで」
ググッと顔を寄せる人識に抵抗しながら、はいーちゃんの方に逃げようとする。
「い、いーくん・・! ・・・ん?」
いーくんを見れば、隣には見慣れない可愛らしい女の子と美少年。
あれ?ここどこだっけ?
「おはようございます、お姉ちゃん。私は闇口崩子です」
私より年下だろうその子はとても大人びてて、しかも可愛い。
「あ、よろしく・・崩子ちゃん」
「僕は石凪萌太、崩子の兄です。・・・初めまして、さん」
とてつもない美少年が私に微笑みかけてきた!
かぁっと顔が熱くなるのを感じる。視線を萌太君から外せない。
そりゃ、いーくんも人識も今まであったことないような美形だったけど、萌太くんはまた・・・すごい。
「な?!、何顔赤くしてんだよ?!」
「・・・え?・・・な、赤くなんてしてないッ」
人識の声に我に返りながらは萌太くん顔からフイッと視線を外した。
「人識・・離してくれないかな。恥ずかしいんだけど」
まだから離れようとしない人識に言う。
私は萌太君の微笑みにドキドキしっぱなしだ。
「なんだよー、さっきまで俺の腕の中で気持ちよさそうに眠りながら、『人識ー…大好き、離さないでぇ』とか言ってたくせに」
「え?!嘘?!言ってないよ!!・・嘘だよね?いーくん?」
「うん嘘。『愛してるよ、いーくん』って言ってたよ」
「な!? 皆して・・・!」
憤慨しながらも、こんな狭い部屋で暴れるわけにはいかないので、グッと我慢。
それに萌太君の視線が痛いほど私に突き刺さって、むしろ痛い。
「いーくん・・ほ、崩子ちゃんと萌太くんとはどういう関係なの・・・?」
私はなるべくその視線に気づいていないように振舞いながらいーくんに問いかける。
「二人ともここのアパートの住人だよ。ちゃんはまだ皆と会ってないんだよね」
ここのアパートの住人・・・そうだったんだ。
なんでこんなに身近にこんなに美形さんが揃っているのか・・。謎だ。
「そうなんだ・・・。・・・あ、それより聞いて、いーくん。
さっき人識と私のこと調べてみたり、知り合いに電話してみたりしたんだけど。・・・やっぱり、何もわかんなかったの」
シーンと静かになった部屋内。
なんだかとても居心地悪くて、私はすぐに明るい声で続けた。
「だ、だからね、私この状況楽しんじゃおうかなーって思ったりなんかしちゃったりして・・・・・・だからもう少しみんなと一緒にいさせてもらっても・・・いい、かな・・?」
困ったように首をかしげるに誰もがドキリとした。
「!!いつまでだってい
「さん!」
勢い良く抱きついてこようとした、人識よりも早く、私に誰かが抱きついた。
ぎゅうっと抱きすくめられると、フワリと煙草の香りがした。
「・・え!?」
「・・・さん、僕はいつでもさんの力になりますから。だから、だからそんなに悲しそうな顔をしないでください」
私、悲しそうな顔をしてたのかな・・・?
萌太君の背の向こうにはワナワナと震えている人識と、愕然としているいーちゃんが見えた。
・・次の瞬間フッと耳にかかった息にピクッと反応し、そんな余裕もなくなった。
「ふふ。・・可愛いですね・・・さんは・・」
耳元で囁かれた言葉がくすぐったくて私はキュッと目を瞑った。
恥ずかしい、恥ずかしい。
なんで私の周りにはこういうことする人ばっかりいるの?!
「はーーい!!ストップストップー!!」
人識の声がしたかと思うと、私はいーくんに後ろから抱かれていた。
人識は萌太君の前に仁王立ち。
「俺のに何、手だしてんだ!!」
「・・は貴方の者なんて言ってませんでしたよ?」
「あぁ? んだと?」
バチバチと二人の間に火花というか、もう花火のような物が見えた気がした。
二人がにらみ合った瞬間、萌太君が誰かによって引っ張られた。
「萌太、今日はもう帰りましょう? ・・みなさん、お騒がせしました」
崩子ちゃんは丁寧に、そう挨拶するとさっさと萌太君を引っ張りながら玄関に向かった。
萌太君は玄関のドアを開け出て行く瞬間、
「さん、また遊びましょうね」
と意味ありげな言葉と綺麗な微笑みを残して去っていった。
私、唖然。
人識、怒号。
いーくん、無表情。
「・・・くそぅ・・・石凪め・・・」
人識は唸るように玄関にむかって呟いた。
つ、疲れた・・・!
なんか途中からぐだぐだですいません;;
あれ?萌太くんって歳いくつだっけ?!
一部訂正しました!
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