もうこれ以上他の奴らにはを知られちゃいけないな。

だっては俺のものだし。

だって俺の事好きだよな・・・?














 (睡眠)




















「眠い・・・」


公園の借り道、私はこれからのことを考えながら、呟いた。

ゆっくりと人識の後について歩きながら、手の甲でがしがしと目を擦る。

昨日一晩中起きていたからだ。



「ん?こんくらいで、眠くなるのかよ?かははッ、ガキんちょだな」



後方、少し離れた場所をノロノロと歩いている私のところに引き返し、人識は笑った。



「ガキんちょとか言うなー・・。 うぅ・・一晩中起きてたのなんて初めてなの・・・」



人識が私の手を掴んで歩き出す。

引っ張られるように歩き出す私。

なんだか本当に小さい子みたいに扱われてる。


「ほら、アイツの家までは頑張れ、そしたら寝ていいから」


優しく小さい子を諭すように言う人識になんだかムッとしながら、私と人識はいーくん宅まで歩いていった。




























「・・あ、お帰り。どうだった?」


家の中ではいーくんと客人が狭いスペースの中に座っていた。

見たこともないような可愛い子。

どちら様か聞こうと思ったけど、今はそれよりも眠気の方が優先されていた。


「・・・ただいま、いーく・・」


とだけ言って私はバタッと床に突っ伏そうとしたが、


「おぉっと・・!」


瞬発力抜群の人識の腕によって、抱きとめられてしまった。



「・・・んぅ・・寝かせてよ・・・人識・・・」



「もちろん!!・・俺と一緒に寝よう!!」


なんだか勘違いしている人識にいーちゃんがスパンッと雑誌を投げつけた。


「・・を離せ。そして、エロに直結しているその脳細胞を組み替えてこい」

















「このお姉ちゃんは誰ですか?・・戯言遣いのお兄ちゃん」


幼くも大人っぽい雰囲気を身にまとった女の子は、人識に抱きかかえられたまま眠っている女の子を見つめた。


ちゃん。・・・えぇと・・迷子って言うのが適切かな」


を人識の腕からどうやって引き離そうか悩んでいるいーちゃんは視線をに向けたまま答えた。

スースーと寝息を立てているは本当に気持ちよさそうに眠っている。


「かははッ!そして俺の彼zy


「今のは嘘だから聞き流してね」



白いワンピースの女の子・・崩子ちゃんは興味深そうにを見ている。



「・・可愛いお姉ちゃんですね」


「だろだろ!俺が見つけたんだぜ」


「最初に出会ったのは僕だけどね」


「は?!んなこと初耳だっつーの!!」



ぎゃーぎゃーと騒ぎあう二人をよそに、崩子ちゃんはんーと考えてからぼそりと呟いた。






「・・・萌太がすごく好きそう」







その言葉に戯言遣いと殺人鬼はハッと固まる。

崩子ちゃんの兄、萌太はそれはそれは美少年であり、とても落ち着いている。

・・嫌な予感を感じずにはいられない。



「・・・いーたん!!俺は石凪のやろうには絶対を会わせないからな!!だからこのまま連れて帰る!!」


「いや、待て、会わせないのは分かるけど、連れて帰るのは却下だ。ちゃんが泣き叫ぶような事態になるだろうし」


スチャッと立ち上がった人識の足をがっしりと掴みながら、いーちゃんは真剣そのものの表情だ。

崩子ちゃんは何やら思考している。


「何言ってんだ!!泣き叫ぶんじゃなくて、喜び喘ぐんだっつーの!!」


「やっぱりそーゆー事するんだな?! ちゃんは渡せない!!」


「・・・もし萌太とお姉ちゃんが結婚したらお姉ちゃんは本当の私のお義姉ちゃんになるんですよね・・・」


フフと口元に手をかざしながら崩子ちゃんは微笑う。

いーちゃんと人識は


「(やばい・・・!!)」


と思ったそうだ。



「・・・逃げろ、零崎!今だけはちゃんを譲る!!」


「お、おぅ・・! はいつでも俺のもんだけど・・・」



を抱きかかえた人識がいーちゃんと崩子ちゃんのいる部屋内に振り向きながらドアに手をかけた。



「そんじゃ・・・・・なぁ?!」



ガチャリ、とドアが力を入れていないのに開く




「いー兄・・・崩子いますか?」




「「ぎゃぁああぁあぁああ!!!」」




噂をすれば影。

死神、萌太のご登場だった。


































萌太君いいなぁ・・・。
美少年とかムフフv(怪しい