ねぇ

朝なんて来ないで。


私たちを

照らさないで。


このまま  ずっと

あたたかい暗闇に


包まれていたいから・・・。














夜が終わって




















「・・総悟・・・?」


「・・なんですかィ?」



呼び慣れた名前。 聞きなれた返事。


それさえが愛しくて、たまらない。



「私たちが出会ったときのこと、覚えてる・・?」


縁側に腰をかけ、投げ出していた足を意味もなくぶらぶらと動かす。


隣に座っている総悟はフッと微笑んだ。


「あたりまえでさァ。あんな印象的な出会い方は初めてだったからなァ」


「・・それはよかった」


少し皮肉っぽく言っても、きっと総悟には通じないんだよね。



「でもどんな出会い方でも、総悟と出会えて本当に
・・良かった



語尾が小さくなるのは、こんな歯が浮くような台詞普段は絶対口にしない私だから。


今から思えばもっと言っておけば良かった、と後悔も少しある。



「・・。俺もに出会えて良かったでさァ。心からそう思えますぜ」



わかる、今総悟がどんな表情をしているのか・・どれほど優しい笑顔をしているのか・・



「ま、屋根から降ってきたのがじゃなければ、俺ァ受け止めなかったですけどねェ」



ハハッと二人から笑い声が漏れ、静かな中庭に響いた。




どんな思い出だって総悟がいてくれれば、それだけで最高の思い出になる。


今この瞬間だって、私にはかけがえのない一時だ・・・。







「ねぇ総悟・・・」





大好きだよ



愛してるよ



でもそんな言葉は総悟にとって重たいだろうから、言わないよ。





・・・言えないよ・・。











空は明るみ始めていた。


少しずつ少しずつ、総悟の顔が、表情が、私の目に映る。


少しずつ少しずつ、私の胸に不安が押し寄せる。


二人でいられる時間が消えていく。









「・・・総悟」



「ん?」



突然抱きついた私を総悟は可笑しいと思うかもしれない。


でも抱きしめ返してくれたその腕が、


サラサラと揺れる金色の髪の毛が、



「・・総悟」



優しく私の頬を撫でたその大きな手が、愛しくて・・。








珍しく困った顔をしている総悟。






朝が来る



何処までも広がっていた濃く青い空が、光始める。








「帰ってきやすから、元へ。



       必ず。 ・・・待っていてくだせェ」






貴方はそんなに優しい笑顔をしていてくれてるのに、




「・・ごめんなさ、い」




涙を流してしまって。






「・・待ってるから」





いつまでも。










太陽が顔をだした。




貴方は攘夷志士との戦いに向かう。




真選組である貴方を誇りに思う。





でも今は辛いんだ。



































朝の眩しい光が貴方を連れ去って行った。


































実はすんごい前に考えてあったものです。
それをちょっこり変えて、UPしてみました。
アンケで銀魂短編の支持がおおかったもので!
土方さんの声と沖田さんの声があったのですが今回は沖田さんにしましたv
どうも作品傾向がシリアスな管理人…。
寂しい人生シリアスがすきなんです。

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