ハハハ。


何この人?



めちゃクソ腹立つんですけど・・?




















Turn  T





















ガッシャ―――ン!!



盛大に飛び散る皿の上の料理や、コップの中の飲み物。


それはまるで狙ったように神田の顔にかかった。




「いいかげんにしてよね?! 私だって好きであんたなんかとペア組んでる訳じゃないんだから!!」




テーブルの上に両手をつき、神田を見下ろすように立っている

その表情には怒りがはっきりと浮かび上がっていた。




「・・・はっ。女ごときがギャーギャー騒いでんじゃねぇよ」



神田は嘲笑うような表情でを睨み返しながら、顔についた蕎麦の麺を剥ぎ取った。



「これだから女はうるさくて嫌だ」






食堂のど真ん中、と神田のやり取りに誰もが息を呑んだ。

迷惑だな、と思いつつもなんだか先行きが気になるのは人間の生まれもっての性格なのだろうか。







「・・・女如き・・?・・だから女は嫌だ・・?」


のものとは思えないほどの低い声。

空気が一瞬で氷のように冷たくなった。





「・・この男女差別おかまやろおがぁぁああ!!!」




「・・はぁ?!」




そう叫ぶとはものすごい勢いで食堂を走って出て行った。





とたんに食堂はシ――ンとなる。


後味の悪い空気に誰もが神田の方から視線を逸らした。

神田の怒りに触れぬよう・・。



「・・ちっ。・・見てんじゃねぇよ!!」


ガタッと席を立ち、不機嫌そうに神田も食堂を後にした。


神田の姿が見えなくなると誰もがはぁっと小さくため息をついたのは言うまでもない。






































――ガタタン・・・ガタタン・・・





「・・・・・」


「・・・・・」




任務に向かう列車の中、神田とはどちらもが窓の外を不機嫌そうな顔で睨んでいた。


あの後二人は顔を合わせることなく任務に出たのだ。


列車に乗り込むまで、列車に乗って今に至るまで、無言の二人。


痛いほどの沈黙が続いていた。








何なんだよ。

いったいこの人は?!

任務のペアになったから挨拶にと思って一緒に食事してやったら、

いきなり『なんでこんな奴とペアなんだ』とか、『女はあーだこーだ』とか・・・。

くそぉ・・また腹立ってきた。









「「・・チッ」」


二人の舌打ちの音が綺麗にはもる。


自然に顔を見合わせると、すぐさままた不機嫌そうな表情にお互いが戻った。








あーぁ。


早く任務終えて帰りたいなー・・。




































任務先についてみれば、

そこは古びた街並みがまるでホラー映画に出てきそうな所だった。


日はすっかり落ち、淡い月の明かりだけが建物のシルエットを不気味に浮かび上がらせている。

はぶるっと身震いすると自分のイノセンスをギュッと握り締めた。






来るっ






そう感じると同時にAKUMAが姿を現した。

数は2体、それにレベル1。


はニヤリと笑うと自分のイノセンス・・赤を基調とした扇を開いた。




「風華!!イノセンス発動!!」




ヴンッと音がしたと思うと扇はの姿を覆い隠すほどの大きさになっていた。



「いっけぇえ!!」



バサッと扇を振りかざせばカマイタチのようなものが起こりAKUMAを破滅させた。







「・・どうよ!」

神田へ振り向き、はふふんっと笑った。


「女だからって舐めないでよね!神田なんか・・「っ!!」





ガキィィンッ!!





鈍い音が辺りに響いた。












目を開ければ、神田に抱きかかえられていた。


左手で私を抱き、右手で六幻を構えてAKUMAからの攻撃をかわしている。


「この、馬鹿っ!油断してんじゃねぇよ」


「ご、ごめんなさいっ」


神田が片手で相手をしているのはレベル2のAKUMAだった。

頬に血が滲んでいる、私を助ける時についたのであろう。


油断していた自分にやけに腹が立って涙がでてきた。

今は泣いてる場合なんかじゃないのに。



「・・・お前がすげぇのはわかったよ」


神田の思いがけない言葉。




「お前が間抜けだともわかったけどな」


思いがけない笑顔。



何で自分があんなに怒っていたのか分からなくなった。



「・・ありがとう。・・・離して・・」


ドンッと神田の胸を押し、は神田の腕から離れた。


っ?!」


神田の声と腕がを追った。





は走って神田の所から離れると




「AKUMAさーーん♪こっちゃこーい!


 そんな無愛想な男より私の方が殺すの楽しいよ〜♪・・殺されないけどね」


と手を振りながら叫びはじめた。



「ン・・? ォ・・オンナ・・殺ス殺、スッ・・♪♪」


AKUMAは神田に背を向け、の方に気持ちの悪い笑みを浮かべながら飛んで行った。



、やめろ!!」


神田の声がAKUMAの後ろから聞こえた。




「フフフ・・ 問答無用!!」


は身体を斜めに構え、扇を上に振りかざした。


そして十分にAKUMAが近くに来たことを確認する。


「・・風華!!  風切乱舞!!!」





大きな風がブワッと巻き起こり



ズパンッ



と鈍い嫌な音がした。







































「・・・は、れ・・?」


気がつけばそこは黒の教団総本部の廊下、

で神田の背中の上。


は神田に背負われながらホームの廊下を歩っていたのだ。

・・・いや、歩っていたのは神田だが。



「・・・。 えぇっと・・ん?・・あれ?」


「・・・んだよ、起きたとたんうるせぇな」


「いや・・・あの・・AKUMAは、倒せてましたでしょうかしらねぇ?」


「・・・。 言葉おかしいぞ」




神田はをおぶったままコムイ室長の部屋のドアを蹴破った。




ドガンッというもの凄い音に驚いたのか、部屋の中にいたコムイはコーヒーをぶちまけた。


「あわわわ・・、神田君・・・。 あ!お帰り、ちゃん♪」


コムイはコーヒーを拭きながらに対しては笑顔で言葉をかけた。



「いや〜・・ご苦労様♪ 怪我がなくて何よりだよ・・・ちゃん」


「・・ア、アハハ・・。はい〜」






「ところで・・・」


コムイがニンマリと微笑んだ。




「よかったねぇ〜、神田君!ちゃんとなかよくなれて♪♪」


「はぁっ?!・・ゲホッ!・・ガハッ!・・」



突然咳き込みだす神田をよそにコムイは面白そうに続けた。



「だって神田君心配してたもんねぇ♪

 ちゃんは女だから無理させないようにしなきゃとか、ちゃんをちゃんと・・ムガッ」


「黙れっ・・」



神田はすごい形相でコムイの口を押さえた。


「ムフッ・・・でもさ神田君、ちゃんずっとおんぶしてるよね・・♪」


「黙れ!!」


パッとを支えていた手を離した神田。



「キャア?!」


重力のままドサッと床に落ちる



「いっつ〜。ちょ、神田ッ?!」



振り向いた神田の顔は怒っていたけど、目つき悪かったけど

・・・赤くなっていた。



「・・・か、んだ・・?」


突然自分の顔も熱くなっていくのが分かった。



「だって・・女ごとき、とか・・女なんか、とか・・」



「それは愛情のうらがえし・・・
「コムイッ!!」





神田はそれだけ叫ぶとの手をつかみ、ドアを壊す勢いで部屋から出て行った。



「ちょ、神田?!」


「うっせ・・!走るぞ・・!!」

































「フフ・・面白いなぁ、あの二人は・・♪」


コムイは二人が出て行ったドアの向こうを眺めながら呟いた。











走って出て行った神田と




あの二人は・・・何処に・・・・?






























以前管理していたサ(ry
神田さんを書いたのはこれが初めてです。
あぁ、微妙・・。



++++++++++++以前のあとがき
変なもの、作っちゃいましたぁぁ。(いつものことだろ
短編のはずが短編のはずが・・・何この変な終わり方・・?!
なんだかコムイ兄さん怪しいっスね・・。
そういう気はなかったんですが、取り合いになったりしそうな雰囲気に・・?!
どういう展開がいいかは様におまかせします。(ぇえ?!
是非、是非どんな展開が良いか言ってみてくださいまし。


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