カチ
コチ
カチ
コチ
カチッ
Tear Song V
――・・・サァァァア
「うわぁ・・雨か」
窓のから見える外の風景は少し靄がかかったように霞んでいる。
鉛色の空はなんだか重たそうだ。
「・・・・」
ラビが任務に出て今日で丁度一週間になる。
そろそろ帰ってきてもいい頃なんだけど・・・。
窓ガラスにそっと手を当て
触れられない雨の雫を指でなぞる。
小さくため息をつき
虚ろな瞳を少し上げた。
「朝食・・いかなきゃ」
ふと思い出す。
「あ!!今日はジェリーが苺パイを作ってくれるんだったvv」
―――バタンッ!
叫ぶが早いかは部屋を跳ねるように飛び出していった。
ザワ
ザワ
ザワ
ザワ
食堂は朝食を急ぐ人たちで賑わっている。
一見、いつもどおりの朝だった。
「(いっちごパイ、苺パイ〜♪)」
トトトッ
が食堂に入ると視線が集中した。
思わず足を止める。
黒の教団内でも可愛いと評判のはそんなことはしょっちゅうだったが今日のは少し違っていた。
「・・・?」
皆が目を合わせず、少し声を小さくした者もいる。
おかしい
飛び跳ねるようだった足取りを、ゆっくりと辺りをうかがうような歩みにかえる。
誰もが余所余所しく、空気が重い。
何・・・?
何なの?
・・何があったの?
ポンッ
「わっ?!」
肩をたたかれただけなのに異常なまでに反応してしまった。
「・・・コ、コムイ室長」
「ごめんね、驚かせちゃった?」
そこには微笑んでいるコムイ室長のすがたが。
コムイは辺りを目だけで見回し
「ちゃん・・・。ちょっといいかな?」
そう小さな声で言った。
「・・はい」
私は何のためらいもなく頷いた。
きっとこの重い雰囲気のことに関係があるんだろう・・・。
歩き出したコムイの後を数歩遅れて歩き出す。
コムイ室長の笑顔もいつもと違っていたのは気のせいだろうか・・。
なんだか長くなってきてしまった・・・。
ホントは2話で終わるはずだったのに(最悪)
だらだらと長いのにここまで付き合ってくださった方
本当にありがとうございました^^