「骸様、・・骸・・様・・・」
暗い部屋の中で私の声だけが虚しく響き渡る。
私しかいない、この空虚な空間。
広すぎて、広すぎて、自分がどこにいるのかさえ分からなくなってしまいそう。
あの頃は、あんなにも居心地のいい場所だったのに、
何故今は、こうも吐き気がするほど苦しいの。
「骸・・・様」
名前を呼ばれた本人はここにいないというのに。
返事なんて返ってくるはずないのに。
触れてくれるはずなんてないのに。
「骸様・・・私はここです。は・・・ここにいます」
瞼を閉じて、
息を吐き、
―――・・・骸様
私はまだ貴方を思い出せます。
「骸、様・・・・っぅ・・・・・骸様骸様骸、様!!!」
早く早く帰ってきて
早く早く迎えに行きます
早く早く私を呼んで
早く早く私に触れて
「・・・ぅ・・ああぁあああっぁぁああああぁあああ!!!」
私は本当に声を発していますか?
私は本当に目を開いていますか?
あ ぁ 、 私 は 、 本 当 に 、 存 在 し て い ま す か ・ ・ ・ ?
それが唯一。これが真実。