君の笑顔が、僕たちの何かを


確実に変えていくんだ。


































そして、もう一度、君と! P5









































「よーし!!ドンと来い!へなちょこ隼人!!」


「おい!!何調子乗ってやがんだ、ド素人が!」



昨日の宣言どおり、青々とした芝生が広がる公園で四人は遊ぶことになった。

山本の提案とツナの反対との賛成の一声で、今まさに野球の真っ最中なのである。



「隼人だってド素人のくせに。絶対私のほうが上手だよ!」


「てめぇ・・・言ったな」



バットをキュッと握り、にやりと不敵に微笑む

獄寺は軟式の野球ボールをグローブにパシパシと投げつけてから、そんなをさらに笑い返した。










「アハハ、二人とも燃えてんなー!」


「そ、そうだね・・・。(・・・よかった山本止めといて・・・!)」



少し離れた所には、芝生に座り込み、白熱する二人をのほほんと眺めるツナと山本の姿が。

缶ジュースを片手に、ツナは自分の決断に安堵の溜息を漏らした。

山本が投げたらちゃんの腕が粉砕しちゃうよ・・・と。



「それにしても・・・」



「?」



「・・・ってホントに可愛いのな」



「!? や、山本!?」




目はを見つめたまま、山本はニッと爽やかに笑った。

ツナはその横顔を目を大きくして見つめる。



「ツナも・・・そう思わねぇ?」


「・・えぇ!?お、俺!?・・いや、その、・・・俺は」



ドキドキと動揺する自分に驚いて、こちらを向いた山本から目を逸らし青く伸びた芝生を一心に見つめた。

妙に焦っているのは何故だろう。

山本の問いかけは、気づいてはいけない何かを引っ張り出してしまいそうで、ぐむっと小さく口ごもった。



「・・・あ。ツナは笹川だっけか。わりぃ、野暮なこと聞いちまったな!」


「・・・ん?え?・・えぇ!?ちょ、山本!!それは、」


「まっ」



タンッと勢いをつけて立ち上がり、山本はこちらに振り返った。

太陽を背に立つ山本は何だか眩しくて、少しだけ目を細めて見上げる。







「ツナがどう思ってるかわかんないけどよ、俺はが好きなんだ!」








陰った笑顔は、いつもより、楽しげで。


俺は何も言えなかった。








「・・・・っ」



「んじゃ、ちょっと野球混ざってくるな!」





近くに落ちていた帽子を拾い上げ、山本は獄寺との方へ歩いて行く。

その背中に、何ともいえない悔しい気持ちが込み上げて・・・、・・・・悔しい?






「・・・・・・・何だよ。悔しいって」






呟いてすぐ、後ろにごろん寝転がった。

空には雲がゆっくりと流れている。







「・・・・・・俺だって、ちゃんのこと、」









一瞬だけ“ツナ君”と笑顔で呼ぶ彼女が浮かんで消えた。

今までより淡く、不思議と胸の高鳴りは感じなくなっていた。




















「・・・・・好きなんだよ」














色濃く鮮やかに、今は、君が、・・・浮かんで消えない。





































「ふぬぅう・・っっ!!」




―ブォッ!!




「・・・ストラーイク」


「うぇ!?なんで!?」



バットを手から落とし、獄寺を睨む

通算七回目の空振りである。

それにヘッと笑いながら、獄寺は顎での後ろに転がっていったボールを指した。



「センスってもんがねぇんだよ、には。ほら、早く球拾って来いっての!」


「く、・・くそぉお!!馬鹿隼人ー!」



何度目かの捨て台詞を吐きつつクルッとボールの転がっていった方に向き、走り出した瞬間。



「ぅぶっ!」


「おっと」



背後に来ていた山本に突っ込んだ。



「・・・武!いいところに!ねぇ、どうやったら球打てるの!?」



パァっと顔を輝かせて自分を見上げるに、山本はニカッと笑って、転がっていたバットを拾い上げた。

そして何時の間にか拾っておいた球を、豪速球で獄寺に投げた。(手加減して・・いるよね?)



、バット持ってみ?グッと・・・そう、んでちょっと足開いて・・・体の向きはこっちな」


「うん・・?・・・ほうほう」



文字通り、手取り足取りバッティングフォームをに教える山本。

獄寺は苛立たしげにその様子を眺めながら、小さく舌打ちをした。




「・・・よし!それだ!」


「おぉ!こうなんだね!・・・・よし、来い隼人!」


「・・・はぁ!?」



獄寺は呆れたような、面白くないような微妙な表情で顔を引きつらせた。

そこには、の背から腕を廻し、と一緒にバットを構える山本の姿が。



「? 隼人ー?早くしてよ!今度はかっ飛ばしてみせるから!」


「あったりめぇだろ!!お前バックに野球部員つけてんじゃねぇかよ!!」


「ハハ、気にすんなって!」


「そうそう、私と武は今一つになっているのです!」


「ぶっ!?」


「ハハハ、ってば大胆発言してるぜ」


「ん?何が?」



首を傾げて、はきょとんと二人を交互に見た。

山本は、そんな自分の胸に収まっているを見つめ、幸福感に笑みを零した。



「・・・・あー・・やっべぇ・・。好きなもん全部持つってこんな感じなんだな・・・」


「・・ん?何、武?」


「・・・いぃや、何も! 獄寺ー、投げていいぞー!」



ギュッとの手の上からバットを握る手の力を強めて、山本は楽しそうに笑った。

顔を斜めに山本見上げてから、は獄寺に向き直る。



「・・・んだ、山本のやつめ・・くそ・・・あー!!もう、いくぞ!!」




「「おぉ!!」」




















―カキーンッ!!





















































俺の、



俺の、



俺の、












大好きな人。














いつか、君が誰かのものになってしまう前に










・・・俺が攫ってもいいですか?









































気づいた、この思いを、君に!




















ごめん、

味方さえも今は協力できないよ!





































あれ、クフフ様は?と思った方ごめんなさいぃ!!
本当は1話で済ますはずの話が並盛ーズのさんに対する愛が強すぎて長くなりました!!
なので、2話にわけたというわけなのです。
でも満足v

少しずつ着実に、話を進めていきたいです。(そしてウハウハ逆h(黙れ))

次回は本当に出ます、隣町ボーイズ!
そしてこの話は原作沿いというわけではないので色々時間軸がおかしいかも・・・。
その辺はご愛嬌で!(ぁ



2007,04,21


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