「・・・ボンゴレ十代目の護衛・・?それが今回の任務なの?」



広すぎる程の室内の真ん中にどでんと置かれた二つのソファ。

そこには一人の女と、向かいには女より幾分か年上の男が座っていた。



「あぁ。長期に渡るだろうし、とても重大だぜ。無理強いをするつもりはねぇんだけど・・・」


「断るつもりはないよ。それに・・・リボーンの頼みなんでしょ?」


「まぁ、な。でも・・・」


「私嬉しいよ、信用されてるってことだもん!・・・で、いつからなの?」


「・・・そうか。期日は来月からだそうだ」


「来月・・・。わかった」



何かを考えるように宙を見上げる女を、男は真っ直ぐに見つめていた。

自分の迷いとは裏腹に、コイツの決心は変わらないということをすぐに理解する。



「・・・、・・・じゃあ俺はリボーンに電話してくるな」



うん、と何の迷いもなく女が頷くのを確認して、男は立ち上がった。



「・・・・・・」



女はその後ろ姿を暫く見つめた後、静かに立ち上がる。





「・・・!」




ドアノブにかけた手を止め、男は後ろ・・・抱き着いてきた女に振り向いた。



「・・・・・?」


「もう・・・そんな心配そうな顔、しないでよ。私が心配になっちゃうでしょ!」


「! ハハ・・・だよな。わりぃ」



体もこちらに向けた男は、自分より小さな女を自らの腕でぎゅうっと抱きしめた。

頭では、自分は何をこんなにも心配しているのか、と自問しつつ。




「・・・あ、わかった。私がいないのが寂しいんでしょう?」




自分を見上げ、悪戯っぽく笑う







―あぁ、そうか。






そっと片手での前髪を掻き上げて、額に口付けた。

はくすぐったそうに瞳をつぶる。




「ふふっ・・・寂しがり屋のディーノお兄ちゃん・・・なんてねっ」




「・・・ばぁか」







―俺は、を俺だけのものにしておきたいんだ・・・。


































そして、もう一度、君と! P3



































「ただいまー」


「お邪魔しまーす!」


「お帰りなさい!あら、皆も来たのねー、ゆっくりしていってね」



パタパタと可愛らしく台所から出迎えてくれたツナのお母さん。

なんだかツナにそっくりで笑ってしまった。



「お邪魔します!初めまして、です」


「あら、あなたがちゃん?ツッ君から話は聞いてるわ、仲良くしてくれてありがとね」



ぺこりと頭を下げて、明るく微笑むツナママに釣られるように微笑んだ。

三人はツナの部屋があるらしい二階に足を進めていたが、ツナはそわそわとこちらを何度も振り返っている。



「こちらこそ!ツナ君にはいつもお世話になってますから!」


「ふふ!ツッ君ったらね、可愛い子が転校してきたーってすっごく嬉しそうで」


「ちょ、母さん!!やめてよ!ちゃんも早く、二階行こう!」


「あ、え!?ツナ、待ってよ!・・あ、おばさん、また後で!」



バタバタと階段を勢いよく下りてきたツナに腕を引かれ、引きずられるように階段を上った。

そんなツナの顔はなんだか赤い。


さっきソワソワしてたのはこのことか!

・・・まったく、わかりやすくて可愛いなぁ!

私は思わず心の中で笑ってしまった。










「あらあら、ふふ。ツッ君ったら積極的になったのねぇ」


奈々は二階に消えていった二人の姿をニコニコと見つめた後、さぁて!と夕飯の準備のため台所に戻っていった。
































「ツナのお母さん可愛いねー!」


「や、やめてよ!」


「ツッ君にそっくり♪」


「!?ちゃんってばー!!」


「あはは!」



笑いながらガチャリとツナの部屋のドアを開ければ、武と隼人は慣れた感じで既にくつろいでいた。

中学生の男子らしい部屋の内装に、思わず感動しながらお邪魔します、と部屋に足を踏み入れる。



「ツナの部屋!ツナの部屋!なんか可愛い!」


「そ、そう?」


「騒ぐんじゃねぇよ、子供かっ」


「ハハ、って本当可愛いよな!」


「あはっ、武に口説かれちゃったー」



いつもの調子で騒ぎ出す四人。

その後は、学校の延長上で他愛もない話を続けた。





そして暫くたったその時、






「ちゃおっス。遅かったな、ツナ」





「リボーン!!」


「こんちは!リボーンさん」


「よっ赤ん坊!」


「―!」



窓から、ヒョコッと姿を現した黒スーツの小さな赤ん坊。

肩にはカメレオンのような生き物を乗せ、ひょいッと部屋の中に入ってくる。


獄寺や山本がそれぞれ挨拶をする中、は驚くわけでもなくその姿を見つめていた。



「あ、あの、ちゃん、こ、コイツは、そのっ・・・」


「・・・ツナ。いいよ」



リボーンの前に立ちふさがりワタワタと慌てながら説明を始めるツナにはニコリと微笑んだ。

ツナはえ?と小さく声を洩らし、二人は頭にハテナを浮かべる。







いいよ。




全部、全部、わかっているから。




全部、全部、話さなくちゃね。
















私はすっと立ち上がった。


































「お久しぶりですっ・・・リボーン」





































想定していたよりも長くなってしまったので、
いったんここで切ることにしました!
話しが進まなくてごめんなさい;


2007,03,21



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