あなたによく合う色の包み紙。


私の好きな色のリボンをつけて、


大好きなあなたに贈りましょう。



とっておきのプレゼントを・・・。























プレゼント ふぉー ゆぅ






















「意見を聞かせて」


「・・・はぁ?」


自分の部屋の襖を開けると、そこには・・・万屋の女が正座していた。

銜えていた煙草を落とさぬよう銜えなおし、自然と視線を逸らす。



「あー、師走ってのは忙しいな。天下の真選組への不法侵入者まで見えるようになるたぁ・・・」


「は!? 幻覚じゃない!!」


威勢のいい声が響き、次に俺の名前が呼ばれた。


「トシ・・ねぇ、忙しいのはわかってるの!でもちょっとだけ・・」


「わかってねぇからここにいんだろが」


「わかってるってば!」


くるりと自分の部屋に背を向けて歩き出せば、後ろから縋るように脚にしがみ付かれた。

コイツが来ると大概面倒に巻き込まれる。

・・・はぁ、やっかいだ。


「ま、待ってよぉお!!私を見殺しにするの!?ねぇ、ねぇえ!!」


「うっせぇ!こっちは年末の・・・・」


廊下に響く二人の声のせいでいつのまにか何人もの野次馬が遠巻きにこちらを眺めていた。

・・・誤解が生まれそうなこの状況を。


「トシィイ、酷いよ!!ちょっとだけ・・あとでマヨネーズだろうがカルパッチョだろうが奢るから!!」


「わぁった!!わかったから腕を離せ!!」


「そうこなくっちゃ!」

























「・・・で」


ふぅっと紫煙を吐き出し、めんどくさそうに続ける。



「なんでお前までいるんだ、総悟」


さんと二人きりなんて、何如何わしいことしようとしてるんですかィ?

 あれですかィ?人妻襲って・・・」


「お前が何如何わしい事考えてんだよ」


「総悟君、違う。人妻違うから。やめて」



いつのまに来たのか、人様の部屋でお茶を飲みながらくつろぐ、と総悟。

全く何様だ。



「俺はさんに呼ばれたんでさァ」


「そうなの。色んな人の意見が聞きたいなーと思って」


「・・・それはわかるが、総悟はから離れろ変態が」



座るに膝枕されながらねっころがる総悟。

は涼しい顔。



「嫌だなー土方さん。これはスキンシップでさァ」


「あはは、総悟君ったらまだまだ子供よね」


「子ども扱いか」


話しがどんどんずれていくことに、溜息をつき、土方はに向いた。



「・・・ところで。聞きてぇことってのは何なんだ?」



は、ん?と首を傾げた後、あぁっと手を合わせた。

・・・忘れてやがったのか。



「そうそう!・・・あのね、もうすぐクリスマスでしょ?」



ニコニコと嬉しそうに話し出しながら、右手はちょっかいを出してくる総悟の髪を梳く

コイツは総悟の扱いも、万屋の扱いも、上手い。

それ故に誰からも好かれている。


なのに、



「クリスマスプレゼント、銀ちゃんに何あげようかなーって!」





・・・は万屋の“女”。




「・・・・・・」


「・・・・・けっ」


「な、ちょ、総悟君今『けっ』って言ったよね!?」




そりゃ言いたくもなるだろうな、と心の中で総悟に同情し、土方は机に肘をついた。




「あー・・・万屋なら甘いもんでもあげときゃ、いいんじゃね?」


「駄目。銀ちゃんの糖尿をこれ以上悪化させたら、死んじゃうもん」


「いっそ早く逝っちまえってんだ。そしてさんを・・・」


おい総悟。それ以上はやめとけ、な?」


「あーぁ。・・・もう、めんどくさい。・・・あ!ねぇ・・・総悟君?」


「そうこなくっちゃ」


が膝に寝転ぶ総悟と意味ありげに目線を交わす。

にやりと笑う総悟はどこか慣れた様子でドンと、


「ほい」

「ぃやったー!」


“鬼嫁”・・・日本酒の一升瓶を出したのだった。



「・・・・どこから出てきたんだ・・・?」



























「でねぇー、銀ちゃんったらセクハラばっかりなんだよ?総悟君分かる?この気持ちー」


「よーくわかりまさァ。俺も毎日毎日土方という名の上司に嫌々・・・」


「えー!?副長ってそんな趣味が・・!?」


黙れ総悟ォォオ!?俺はそんな趣味ねぇ!!山崎も信じんな、アホが!!」


いつのまにか酒の入ったグラスを片手にわいのわいのの小宴会。

そしてちゃっかり参加しているミントンの・・・いや偵察の山崎。




「・・ん。あははは!!やっぱり皆といるのたぁのしい!!」


「俺ァ、さんがいてくれりゃあそれでいいでさァ!」


酒をクイッと仰いで上機嫌に笑うに、グターと甘えるように抱きつく総悟。

の持っていたグラスの酒がトプッと音を立てて少し零れた。


「ぅおぅッ!そ、総悟君・・・あははは!!もう、甘えん坊なんだからぁー!」


さん」



ぐりぐりと総悟の頭を撫でると、ぐいっと顔を抑えられ頬に触れた総悟の唇。



「た、隊長!?」


「おい!?総悟!?」


「・・・・・」


「万屋の旦那なんて、やめて・・・俺のとこにき
「帰る」



突然がたんと立ち上がった

総悟はその勢いでずるりとの肩からずり落ちた。



さん?どうしたんですか?」


「おい、?」


突然のの行動に驚きを隠せない二人は、思わず酒を畳に置いていた。

は振り向かないまますたすたと歩き出し、部屋のふすまに手をかける。



しん、となる部屋。



そして、くるりと振り返り、




「・・・・・にへっ」




は笑った。



「・・・え?」

「・・・は?」

・・・さん?」



「ごめんねぇ、皆。また遊びに来るからっ」



まだ酔いが取れていないのかは顔を赤くしながら、少しふら付いている。

それでもタタタっと廊下をかけていったに、総悟と山崎はがたんと立ち上がった。



さん・・!」


「待ってくだせェ、!」



「待て」



さっと手を出し二人を止める土方は、フゥッと溜息のように紫煙を吐きだした。

そして顎で縁側の外を指す。



「・・・・・ぁ」


「!・・・・っ」



そちらを見、







「銀ちゃん・・・!」









嬉しそうに駆けるを、









「おーい、ー」








銀時見つけ、









「わーい、銀ちゃんー!!」



「おぅおぅ。何で真選組なんかに・・ってお前酒くさっ!?」








二人を、見つけ。







「・・・・・」


「・・・・ふん」


「・・・なんだかんだ言っても、アイツなんだな」





何ともいえない敗北感に、溜息をつくのだった。



































「なぁ?何で真選組なんかに居た?」


「んー?・・・えぇっと・・・何でだっけなぁ?」


酔って足がふらふらと覚束ないをおぶり、銀時は聞いた。

銀時の肩に顎を置き、ぎゅうーっと抱きついたままは目を閉じている。

安心している、ように。



「あ、でもね。総悟君にちゅーされた!総悟君ってばまだまだ子供だよねぇーあははっ!」


「はぁ!?・・・どどどこにした!?口か唇なのか!?」


ぎょっとして慌てる銀時を、はさぁ?っと笑った。


「あンの・・・糞ガキ・・」


「えへへー、でもね銀ちゃん来たのわかったんだよ。だから走ってきたの」


「そうかそうか。ちゃんはやっぱり銀さんの彼女だな」


「それで・・・思ったんだけどね、あぁ銀ちゃんセクハラばっかりって話してて・・・あ、そうだプレゼントの話し!」


「は?・・ん?セクハラ?プレゼント?」


支離滅裂のの話しに首をかしげ、銀時は小さく笑った。



「そう・・・そうそう!プレゼント」


「クリスマスの?」


「そう、クリスマスの!」


ふふっと子供のように耳元で笑う


「でね、銀ちゃん。・・・・ん、降ろして」


「・・・ん?」


とんとんと銀時の肩を叩くをひょいっと降ろし、銀時はの肩を支えた。



「あのね」


「ん?何なに?」


「クリスマスのプレゼントはね」



ニカッと笑い、はぎゅうと銀時に抱きついた。



「・・・ぉっ」













「私を、あげる」












「・・・・え?何?ちょ、・・・マジ?」


「えへへー、マジ・・だよ・・。・・・すぅ・・」


?ちょ、さーん?・・・寝やがった」


くてっと抱きついたまま力の抜けたの身体を抱き上げ、はぁっと溜息をつく。

すぅすぅと聞こえるの寝息。



「・・・・あー、えーと、どうしよう、この人めちゃくちゃ可愛いんだけど」



人気のない道に、小さく呟き、どうしても隠し切れないにやける顔をぶんぶんと振った。


クリスマス当日が、こんなに楽しみだったことなんて初めてだ、と。











































うわうああ。
どうしよう、このグダグダ。
なんか真選組の方が活躍してるんですが!!
しかもなんか長くなった・・・。

あぁ・・・思ったように書けないもどかしさ。
精進します!