「なぁなぁアクセル、知ってるー!?」
03 − 白黒
ハイテンションなデミックスの登場に、アクセルは見るからに顔をしかめた。
「うっせーな・・・お前はいっつも・・・・で、なんだ?」
アクセルの返事を聞くや否や、デミックスはふふんと自慢げに口を開く。
「なーんと今日・・・新入りが来るんだって!!」
「新入り!?なんだそりゃ、初耳だぜ!?」
アクセルは目を見開き、デミックスを見た。
デミックスはワクワクと効果音が付きそうな程の喜びよう。
「新入りって・・もしかして・・・・!」
「男、らしいですよ。残念ながら」
スッと現れたゼクシオンの言葉に、アクセルとデミックスは一瞬固まり、顔を見合わせ明らかに落胆した。
「・・・えー・・それ、本当?・・・あー・・なんか一気に冷めた・・・」
「んだよ。・・・また男か」
「二人とも・・・女性ならラクシーヌがいるじゃないですか」
「えー!?あんな女王蜂いやだー!!」
「同感だな」
そんな二人を笑うゼクシオン。
・・・自分も先ほど同様に思ったことは秘密だった。
「さぁ・・・そんなに気を落とさずに、そろそろ新入りが来る頃でしょう」
“あー”だの、“だりぃな”だのグダグダ言いながら歩き出す三人。
途中で他のメンバーとも合流した。
ラクシーヌがそこにいたことに焦ったことは言うまでもない。
新入りの予想話に盛り上がる中、ロクサスが冷静に
「14人じゃ]V機関じゃねぇじゃん」
とかなんとか言ったが、皆素敵な笑顔で沈黙したのだった。
白い壁面に黒のコートがよく映える、広くとられたホールのような一角。
全員が揃って間もなく、アクセルが豪快に欠伸をした。
「めっずらしいよなー。こんなに顔が揃うなんてよ」
ニヤリと笑って全員の顔を見渡す。
そこにいるのはゼムナスを除いた]V機関のメンバー全員。
それぞれが任務をこなすためこれだけの人数が集まることは、早々ない。
「本当にな・・・。ところで、新入りとはどんな奴なんだ?」
「わかってるのは・・・男、ってことだけですよ。それ以外は誰も知らされていないそうです」
壁に寄り掛かって、目をつぶりながらあまり興味もなさそうに言うマールーシャと、それに答えるゼクシオン。
機関では落ち着きのある二人。
「また男なんて・・・花がないよなー」
ぶーとむくれてソファーに顎を乗せるデミックスを、ラクシーヌが一瞥した。
「ふーん。花がない、ねぇ・・・言ってくれるじゃない?」
その無表情さにびくりとデミックスは固まった。
妙に静まり返ったホール内。
何か思考していたロクサスは顔を上げ、
「・・・でもさ、誰が新入りは男だって言っ」
何かを言いかけた、その瞬間。
フッと闇の回廊が部屋の中央に現れた。
小さかった闇は瞬く間に人が通れるくらいの大きさなり、
現れる
二つの影
誰もが息を飲んだ。