「ソラ・・・、リク・・・!!」
嵐の様に吹き荒れる風の中私の叫び声は流されるように、消えていった。
――何が起きてる・・・?
暗闇よりも深い黒色が二人の身体を飲み込んでいく。
ジワリ・・・ジワリと。
――どうしたらいい・・・?
「、早く手に掴まって・・・!!」
ソラが叫ぶ。
「、俺と外の世界へ行こう」
リクが誘う。
二人の間に立ちすくみ、交互に顔を見合わせながら私は両手をぎゅっと握りしめた。
強い風に髪が舞い、一瞬でも気を抜けば足元から何かが崩れていってしまいそうだった。
幼い頃からいつも一緒だったソラとリク。
一緒にいることが当たり前であり、日常であり、過去であり、未来であると…思ってた。
離れるなんて・・・
別れるなんて・・・
選ぶなんて・・・
――できるわけがない。
伸ばされた二本の手を どちらもとれなかった。
一つを選び
一つを捨てるなんて
・・・考えられない。
「・・・早く!!・・・うわッ」
「早く来い・・・・・・ッ」
――嫌だ・・・無理だよ・・・!
「「!!」」
「ッ・・・ソラ、リク・・・!お願い待って・・行かない・・・・で!!」
――ザァッ
もう
そこに二人の姿はなく
嵐が嘘だったような
静かなこの世界に
「・・・え・・?・・・・ソラ・・・?・・・リ、ク・・・?」
目一杯伸ばした両腕は、
「ッ!!・・・い、嫌だよ・・・お、おいていかないで・・・独りにしないでよぉ・・!!」
虚しく、宙を掴んだ