「あぁあ・・・がいないとつまんないさ」
「そうですね・・・。神田がに何かしていないといいんですが」
「フフフ、それは大丈夫よ。 だって神田は馬鹿だもの♪」
「「・・・・」」
ニコニコ
その笑顔に悪気は見られなかった。
第6夜
無くした光
「・・神田はのこと好きなんでしょうか・・?」
突然のアレンの問いかけにラビとリナリーはきょとんとする。
「・・・アレン。ここの教団にを嫌いな奴なんて誰一人としていないさ」
「そう。皆が敵なのよ」
「「・・・・」」
リナリーの気になる言動はさて置き、アレンは、そうですよねと小さく呟いた。
それなら、ラビも リ、リナリーものことが好きなのだろうか・・・。
「・・チッ」
アレン、小さく舌打ち。
ラビ、アレンの黒い表情発見。
「・・・・ねぇ、神田が寝てるわ」
リナリーは歩いている道よりも、少しずれた場所にある草むらを指差して言った。
そこには確かに黒髪を振り乱して・・ごろ寝・・という言葉がふさわしい姿で神田が寝ている。
「はぁ?!何やってるんさ?!」
「・・・神田ってこんな所で寝るほど馬鹿だったんですね・・・」
心配するでもない二人の冷たい言葉。
「・・神田? ねぇ、大丈夫?」
リナリーは神田の横にしゃがみこむと神田を優しくゆすりながら声をかけた。
うっ、と小さく神田が呻く。
「・・・あれ?・・・・・!!・・・はどこさ?!」
きょろきょろと辺りを見回していたラビが思い出したように叫んだ。
とたんにアレン、リナリーの顔色も変わった。
「か、神田!!起きて!!は?!私のは何処?!」
優しく揺すっていた神田の体をリナリーは半狂乱に激しく揺する。
((・・・恐ッ))
アレンとラビはそっと遠くから見守っていた。
「・・・ッ・・あー・・頭いてぇ」
神田はまだ焦点の合わない目で虚ろに辺りを見回した。
見慣れた顔が自分の瞳に映る。
神田が目覚めてホッと安堵の表情を浮かべる者と、何か違う表情の者と・・・。
「よかった。神田どうしたの・・?何があったの?」
リナリーはさっきの半狂乱の表情は何処へやら神田に優しく聞いた。
神田はぼぉっと数秒宙を見つめ、そして急に起き上がった。
「?! は何処だ?!」
「え?・・神田、一緒じゃなかったんですか?」
アレンは辺りをキョロキョロと見回す神田の慌てぶりに、少々驚きながら聞いた。
神田はアレンを一度睨むように見てから、視線を落とし顔をしかめた。
「・・・チッ」
後頭部がまたズキッと鈍く痛んだ。
の倒れていく姿が即座に思い出される。
「ユウ・・? どうしたんさ・・?」
ただならぬ神田の様子にラビは心配そうに言う。
「・・は・・・・は、連れ去られた」
とたんに全員の動きがなくなり、息をすることさえも忘れてしまったかのようだった。
「は・・・ガキに・・傘と飴を持った不気味な奴のとこに行って・・」
「傘と飴を持った子供・・? ・・・!! アレン君!!」
リナリーはくるっとアレンに振り返る。
アレンは険しい目つきのままコクッと頷いた。
ラビだけは何?!何なのさ?!とわたわたしている。
木々が騒ぎ出す。
ザワザワ ザワザワ ・・と。
風もないのに枝が揺れている。
木の葉が数枚落ちていった。
アレンとリナリーは過去の恐怖と
ラビはわからない不安と
神田は不気味な後姿と
のことを考えていた。
連載もやっと第6夜まできました;
応援してくださる読者様のおかげです^^
展開の遅い連載ですがどうか気長に読んでやってください・・・v
様を中心にこのメンバーは生きているんですから!
次回・・ロードとの接触です!!
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