今日も私は誰もいない部屋でソファにころりと転がっている。


外は日が暮れ始めていた。




























My Happiness !



































「骸・・・さん」



見慣れた扉をガチャリと開けて、それから愛しい人の名を呼んだ。

ノックをしないのは、もう癖のようなもの。



。・・・どうしたんですか?こんな時間に」


「・・・・・・」



骸さんが読んでいた本をぱたりと閉じている間に、私は遠慮がちに部屋に足を踏み入れた。

何も言えないのは、部屋に来なくちゃいけない理由を探していたから。

だけど、口に出して言えるような特別な理由は見つからなかった。



「・・・・クフフ。ほら、そんなところに立っていないで、おいで?」



そんな私に骸さんは両手を広げて、優しく優しく微笑んだ。

きっと骸さんは理由がないことなんてとっくにわかっているんだと思う。



「・・・はい!」



私は勿論、駆けるように骸さんのところへ行って、その腕の中に収まる。

心地よい愛しい香りに、頬をすり寄せた。



「どうしたんですか?怖い夢でも見ましたか?」


「・・・違い、ます。あの、ただ・・・」


「ん?」


「・・・・・・」



ただ、何ですか?と骸さんは私の顔を覗き込んできた。

それに比例するように私は骸さんの服に顔を埋める。



「言わないとわかりませんよ?」



小さい子をあやすように、骸さんは耳元で囁く。

その甘いくすぐったさにピクッと反応してしまった。



「・・っ・・、な、何でもないんです・・っ」


「気になります」


「・・・・でも・・・本当に何でもなっ・・っ、骸さん・・!?」


「言ってください」



骸さんは耳元で囁いていた唇をそのまま首筋に下げ、チュッと音を立てて吸い付いた。

就寝のための服装は薄着で、簡単にするりと肩から下ろされていた。



「・・・・・っ・・ただ、・・その・・・寂しかったんです・・っ」



私の言葉に骸さんは顔を離して、私と目を合わせた。

赤と蒼の瞳が私を捕らえる。

きょとんとした顔は私をいっそう恥ずかしくさせた。



「寂しかった・・?」


「・・・・はい。骸さん・・・最近は髑髏ちゃんや犬たちと任務ばかりで・・・私、一人で・・・・・あっでも!」



だんだんと俯いてしまった顔をぱっと上げ、



「わかってます!私がいても足手まといだって、だから・・・・その、変なこと言って・・・ごめんなさい」


「・・・・馬鹿ですね、は」



話しているうちにまた俯いてしまった顔をくいと上げられ、そのままおでこにキスをされた。

骸さんは困ったような笑みを浮かべて、それから嬉しそうに微笑んだ。



「クフフ、は本当に馬鹿です」


「・・・わかってますよ、二回も言わないでくださいっ」


「そして可愛すぎる・・・・」


「!」



骸さんはすっと私の髪に指を絡め、そのまま顔を引き寄せ、




「愛しすぎます・・・




今度は、唇に、キスをした。

零距離の綺麗過ぎるその顔に、思わず両目を閉じる。

胸がドキドキ、うるさいよ・・・。




「ん・・・っ」




唇が触れるだけのキスを何度も交わすと、骸さんはぺろりと舌で私の唇を舐めた。

抱きしめられていた腕に力が篭ったのがわかり、私はうっすらと口を開く。

骸さんが目を細めて微笑するのが見えた。



「・・・ん・・ふ・・ぅっ・・・」



再び唇が重なれば、骸さんの舌が私の口内に入り込み、舌と舌を絡ませた。

温かいそれは口内を楽しむように動き回り、時折漏れるくちゅりという水音に心拍数と熱はどんどんと上がっていく。



「・・・む、・・くろ・・・さ・・っ」



篭りがちの声を漏らして、骸さんのシャツをぎゅうっと握れば、苦しいということを察し骸さんは唇を離した。

口から覗く骸さんの赤い舌と私の舌の間をつぅっと糸が繋いだ。

・・・なんて恥ずかしい・・・!



・・・寂しい思いをさせてすみませんでした」


「え・・・!だから、その、それは私のただの我儘で!!だから、気にしないでください」


「気にします。僕のせいでが寂しい思いをするだなんて耐えられません」


「そ、そんなぁ・・・」



ただの私の我儘なのに、骸さんはあまりにも真剣に優しい言葉を言うから、思わず涙が出そうになった。

あぁ、私ってば本当の本当に馬鹿だ。

こんなに私のことを思ってくれる骸さんを困らせるなんて。



「しかし、任務はを危険に晒すことになるので・・・連れて行くわけには行きません」


「骸さん・・・」



わかっています、わかっていますよ。


申し訳なさそうに眉を下げる骸さんに、もう申し訳なくて申し訳なくて・・・。

私は顔を上げて、ちゅ、と自分から骸さんの唇にキスをした。



「あ、ありがとうございます・・・!でも、もう骸さんとこうやって一緒にいられれば、私、寂しくなんてありませんからっ」


・・・」


「寂しいなんて言いません。・・・だから、また・・・骸さんの部屋に来てもいいですか?」



そう言うと、骸さんは驚いたような嬉しそうな表情をして、勿論ですよと私の頭を撫でてくれた。

優しく優しく、私の頭を撫でる大きな骸さんの手。


私にくれる言葉の一つ一つ、行動の一つ一つが嬉しくて愛しくて。

私の顔からは自然と笑みが漏れた。



「でも、寂しかったら言っていいんですよ?」


「え?」


「僕にはいつも甘えてください。・・・ね、?」


「・・・・・はい・・!」














寂しい気持ちも、寂しい時間も、


私は乗り越えていけるでしょう。



だってあなたは、私の隣に来てくれる。


私はあなたの隣にいける。







あなたの傍にいれること、それが私の幸せです!




































ずっと下書きのままになっていた骸夢完成させました!
骸さんの夢は愛ゆえに丁寧に書いているため(私の中では;)、
下書きのまま放置のものが多いのです・・・;(ぇ

なんだか柿ぴに続き黒曜祭りになってますね!(笑


2007.10.08


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