早く
早く
早く仕事を終わらせなくちゃ
だって今日は大好きな人が
帰って来るんだから!
君 の た め に
「おぉ、ちゃんがんばってるねぇ!」
コムイがコーヒー片手に笑顔で話しかけてきた。
室長・・・なんで貴方の方がのんびりしてるんですか?
そんな疑問を飲み込んで
「はい・・・」
とだけ軽くこたえる。
早く早く早く早く!!
紙にペンをガリガリと勢い良く走らせ、次々に仕事を片付けていく。
「・・・・。そうか!今日はラビ君帰って来るからだね♪」
ズザザァァァッッ
流れ落ちていく書類達。
「室長?!そんな大きな声で言わないでくださいよ!!」
慌ててその書類を拾いつつ、は小声でコムイに怒鳴った。
「なんで〜?いいじゃん、みんな知ってるよとラビが付き合ってるってことぐらい〜」
ヘラヘラと笑いながら歩いていくコムイを横目に睨みつつ、は即座に仕事に取り掛かる。
残りはあと10枚の書類に目を通して、間違えがないか探すだけ!
「ふっふ〜ん♪あとちょっと!」
仕事もあと少しになれば楽しいものだ。
・・・それにしても私とラビが付き合ってることって本当に皆知ってるのかな・・?
は一度科学班の他の人たちをぐるっと見回した。
「まっいいけどね」
ラビと一緒にいられるだけでいい。
少しでも長くいられるだけで。
他の人の目なんて気にならない。
だから早く帰ってきて・・・。
「〜?・・・おーい、〜??」
「あと・・・ちょっと・・・あと、ちょ・・ぐわっ?!」
顔を上げて周りを見れば、科学班の人たちはほとんどいなくなっていた。
わ、わわわ私寝てた?!
じゃあ私を起こしたのは・・?
「起きたさ〜?」
「ラ、ラララビ?!」
後ろからの声に振り返ればそこにいるのは大好きな人。
「大丈夫か?なんかあんまし顔色よくないけど・・・」
ラビはの頬に手を当てて心配そうに言った。
「え?へ、平気だよ?ちょっと待っててね。今コーヒー持ってくるから♪」
ラビの手をそっとはずし、コーヒーを取りに立ち上がる。
「・・・」
「ん?な・・に・・・・」
振り返った瞬間視界がぐにゃりと回った。
足の力がスッと抜ける。
あぁ天井が見える。
「・・・!?」
「ちゃん、三日ぐらい寝てなかったもんね〜」
そりゃ倒れるよと付け加えながらコムイはラビの元に歩み寄った。
「ラビ君のために頑張ってたんだよ」
そう言ったコムイはとても優しそうな表情をしていた。
ラビはただの横顔を見つめながら黙っているだけだった。
「それじゃ、あとは頼んだよ〜」
そう言ってコムイは医務室を出て行った。
パタンとドアが閉まると、後に残るのは痛いほどの静けさ。
「・・・お前馬鹿さ」
の手を握りしめる。
ただ眠っているだけと分かっていても、
このままは目覚めないんじゃないかと思ってしまう。
ただそれが不安で仕方ない。
「・・・無理すんじゃないさ・・・」
「・・・ごめんなさい」
「?! 起きてたんか?!」
「今、起きたの」
一気に体の力が抜けるのが分かった。
と同時にはぁっとため息。
「ほんっっとには馬鹿さ!!」
「は、はい」
「むちゃばっかしてるから、倒れんだぞ!!」
「だ、だって・・!!」
「どんだけ心配したと思ってるんさ・・・」
急に悲しそうな表情に変わるラビ。
「ラビ・・・」
思わずラビを抱きしめた。
「ごめん・・・ごめんね」
「ん」
「ラビが帰ってくる前に仕事終わらせて、ラビが教団にいれる間だけでも一緒にいたかったの・・・」
「・・・」
「だから・・・」
「だからって俺のために無理はすんな。が倒れてたら教団に帰ってきても俺、楽しくないさ」
「・・うん」
「が仕事終わってなかったら、待ってるからさ」
「・・・うん」
「」
「・・・ん?」
「ただいま」
ラビが笑顔に変わる。
そうだ、この笑顔が見たかったんだ。
「・・おかえり!」
俺はに会うために
任務をこなす
私はラビに会うために
仕事をこなす
次の任務まであと3日
幸せな3日間になりそうさ♪
+++++++++++
200番のキリリクで白峰いつき様に捧げますv
『ラビ夢、シリアス甘、科学班、仕事しすぎで怒られる』
とリクいただいたんですが、希望に沿っていなかったらすいません^^
もしよろしければもらってやってください^^
キリリク本当にありがとうございました!
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