愛してはいけない
恋しく思ってはいけない
君に触れてはいけない
・・・ねぇ、なんでかな
本当は解っていたんだ、なのに僕は、僕は。
「アレン君、アレン君!・・どうしたの?」
「・・え? あぁ、すみません。何でもないですよ」
「・・ふーん、変なアレン君」
声を上げて笑うを見つめ、僕もクスッと笑った。
空は晴天で、強すぎるくらいの日光は二人の肌をジリジリと焦がす。
手に持っていたアイスクリームは暑さに負けてトロトロと溶け出していた。
「あー・・あっついねぇ・・・」
「そうですね・・・」
海の眺めが美しい海岸沿いの道を歩きながら、僕とは手を繋ぐ。
の手は・・・暖かい。
この日、僕らは
何かを感じとっていた。
薄くなった氷の上を歩くような
そんな・・
ギリギリの均衡。
「・・・アレン君、キス・・して?」
それは脆くも崩れてしまう
僕は微笑んでから、そっと君の唇にキスをした。
・・・最後の口付けを。
「・・・大好きでした」
「私もアレン君が大好きだったよ・・・」
繋いだ手を僕らはどちらともなく、離した。
神様・・・どうしてですか?
なぜ、愛しい人ばかり・・・奪っていくのですか?
僕は・・・そっと団服を羽織、
君の額には・・・十字が浮かぶ。
「二度と、会わなければいいね。・・・神の使徒、アレン・ウォーカー」
「えぇ、貴女とは本気で戦えそうにないですし。・・・ノア一族、・」
僕には、もうわかりません。
僕等の敵は誰ですか?
こんなに綺麗な涙を流す、愛しき人なんですか・・?
背を向けて歩き出す。
愛してはいけない
恋しく思ってはいけない
・・・もう振り返ってはいけない
君 は 敵 。
本当は解っていたんだ、
なのに僕は、僕は。
「「離れたく・・・ない」」