あぁ・・・つかれた。


イノセンスは見つからなかったし、一緒に組んだのはまた神田だったし・・・。


本当、コムイさん勘弁してくださいよ・・・。


「ふわぁあ・・・。ねむっ。神田は眠くないんですか?三日三晩眠ってないって言うのに・・・」



「・・・うるせぇな。お前とは体の鍛え方がちげぇんだよ!モヤシが!!」


「・・・」


・・・やっぱり嫌いだこの人。



「・・・あ。神田・・・あれ誰ですか?」


「あ?・・・・・・チッ、めんどくせぇ。・・・あいつはなぁ・・・」
















第一夜
  
始まり



















「・・・リナリー。どう思う・・・?」

「え?どう思うって言われても・・・」

「今日のデザートはゼリーにすべきかプリンにすべきか・・・。どうしよう?!」


テーブルの上のゼリーとプリンを睨み付けながら頭を抱えて悩んでいる女。

それが私、だ。


「どっちでもいいんじゃない・・・?もう一つは明日のデザートにすれば」

苦笑いをしながらのそばに立っているリナリー。

「あ、そっか♪リナリー、あったまいいー♪」

リナリーを指差してそっかそっかと笑顔ではしゃぐ

まるで小さい子のようだ。

「そうだよね♪・・・よーし!・・・・・・あ・・・でも」

「ん?・・・でも?」



ゼリーとプリンをみつめ


「ゼリーとプリン」


リナリーをみつめ


「どっちを今日食べよう・・・?」



はそうつぶやいた。










もしゃもしゃ


「ん〜〜!!おいひぃ♪」

「・・・あんなに悩んだのに、結局両方食べちゃうなんて・・・」

「ん?なに?」

幸せそうにプリンを口に運びながらがもごもごと言った。

「・・・フフッ。なんでもない」

やれやれとリナリーはため息をついた。



「んふ??にぇえ、にぇえ、ヒナヒー。やれ、られ?」

プリンで頬を膨らませながら意味のわからない言葉を発する

リナリーは、は?と不思議そうな顔をした。

「・・・んっく。ふぅ。えーと・・・そうそう。あれ誰?

 あの・・・今神田の隣にいる・・・ほらこっち指差した子!」

リナリーはが見ているほうへ振り返って あぁ とつぶやいた。

は会うの初めてだっけ?アレン君よ。最近新しく入ってきたの。

 寄生タイプのイノセンスの適合者で、年は・・・」







「お前より一つ上だ」

「へぇ・・・。ぼくより一つ上・・・。アハハ♪神田冗談うまいね!」

「は?!お前に冗談なんか言ったってしょうがねぇだろ!!」

神田は怒りの表情・・・(いつものことだけど)

ってことは本当に16歳?!・・・どう見たって僕より下なんですけど・・・

しかも、こっち見てる・・・?



「神田さ――――ん!!おーみやーげは――?!」

手をぶんぶん振りながら笑顔で叫んでいるは一段と子供っぽく見えた。

「はぁ?!みやげ?!んなもんねぇに決まってるだろ!!」

そう叫び返す神田はなんだか照れているようにも見えた。

「ちぇ―――」

そういいながらはオレンジゼリーを口に運ぶ。

 そして

  あ  という顔をして



何を思ったのか、ぴょんッとイスから飛び降りて神田とアレンともとへ走り出した。

?」

リナリーが不思議そうに走っていくを眺める。




手にはオレンジゼリーとスプーン

瞳はまっすぐに僕を見つめながら

が走ってくる。




タタタッ

「アレン君!入団おめでとう!!私はっていいます。

 聞けばアレン君より一つ上らしいよ!」



自分より低い目線。

誰にも真似できないような最高級の笑顔で

僕のことを見つめる



「これからよろしくね!」

「あ、はい。よろしく・・・・・ぅ?!」

突然口の中に広がるオレンジの甘酸っぱい味。

が自分で持っていたスプーンでゼリーをアレンにあげたのだった。

「えへへ〜♪おいしいでしょ??私甘いもの大好きなんだ♪」

首をかしげながらニコニコという


隣ではその様子を見ていた神田が口を開けたまま呆然としていた。


「―-んっく。お、おいしいですけど・・・」

「なら、よかった♪」

そう言いながら今度は自分でオレンジゼリーぱくりと食べる。

「「あ」」

「ん?」



い、いいのか?!そのスプーンは僕が使ったのに?!

いやもとはが使ってたけど・・・。

!!そうだよ、が使ったスプーンを僕が・・・?!


ほら神田なんか今度はの方を向いたまま呆然としちゃってるよ・・・。


「・・・ん?あぁ、ごめんごめん」

テヘへと笑う


そして



ツルリ




今度は神田の口の中へゼリーを入れる。


「〜〜〜ッ??!!」

「!!」

「神田もほしかったのか!口開けたままこっち見てたもんね」



・・・、それはちょっと違うと思うよ。

ほら、神田真っ赤だし。

はまた自分でゼリー食べてるし・・・。


「じゃあ、今日はもうおやすみだね!疲れてそうだしね♪・・・おやすみ〜」

くるっと向きを変えてリナリーの方へ走っていく。


オレンジの甘い香りをさせながら


真っ赤になってる神田と


真っ赤になってるであろう僕を残して。







  もう、眠気なんてどこかに行っちゃいましたよ・・・















始まりました。Dグレ連載!
なるべく甘く甘くを目指しますので覚悟してください。
出だしは・・・微妙?なかんじ。
逆ハー目指してがんばってるので誰とくっつくかは管理人もわかりません(笑)

↓に少し続きがあります。

































「リナリー、ゼリー食べるー?」

「い、いい!!いい!!」

「なんで?おいしいのに・・・」

ぱくり



おいしいことは知ってるよ。

でも

ねぇ、

そのスプーンで

アレン君と神田と

間接キスしちゃったって

わかってる?